人の人生を担う建築のやりがいについて、ハウジングオペレーションアーキテクツ株式会社が語ります。
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建築積算士は、建物の建築にかかるコストを担う「積算技術実務」を行う専門家で、公益社団法人日本建築積算協会が認定する資格制度です。
「積算」とは、設計図などをもとに必要な材料の数量や人数(工数)を割り出し、トータルの工事費(見積もり)を算出する業務のこと。これを正確に算出するには、建築資材の相場を知っていることはもちろん、図面を読み解くスキル、工程や工法に関する専門性の高い知識やノウハウなども求められます。
建築積算士は建設会社をはじめ、設計事務所や積算事務所に在籍する方が多く、こうした業界に就職・転職する際に有利な資格のひとつでしょう。
なお、この資格の下位には「建築積算士補」という資格があり、上位には「建築コスト管理士」という資格もあります。
間取りや設備に関する要望など、お客様からはさまざまな要望をいただきます。その要望にすべて応えると、予算をオーバーすることも。限られた予算で、できるだけ施主の要望に応える。それが、建築積算士の主な業務です。
また、受注のカギを握る重要なポジションも建築積算士が担います。例えば、受注前のプラン提示の際、従来の工程や工法では予算オーバーになってしまうことがわかった場合、代替案などのアイデアでカバーできるかというのも建築積算士の重要な仕事です。
基本的にはデスクワークですが、発注業務や施工管理業務などを行う場合もあります。ちなみに、建築積算士補や建築コスト管理士も、業務の内容や領域はほぼ同じです。
満17歳以上であれば、学歴や実務経験を問わず、受験できます。
なお、成年被後見人または被保佐人、破産者で復権を得ない者など、一部対象除外となることもあります。
試験は「一次試験(学科)」と「二次試験(短文記述)」があり、一次試験に合格した方が二次試験に進めます。
一級建築士、二級建築士、木造建築士は一次試験の学科は免除可能。また、二次試験で不合格になった方は、翌年に限り一次試験が免除されます。
一次試験の学科は、主催する日本建築積算協会の発行する「建築積算士ガイドブック」から出題。「建築数量積算基準」や「建築工事内訳書標準書式」、建築一般の基礎知識や建築数量積算基準に対する理解度、工事費算定の知識や技術などが問われます。
問題はすべて4択で、全部で50問。時間は3時間です(平成30年度の場合)。
日本建築積算協会のホームページに過去問題集もありますから、こちらを利用して勉強するとよいでしょう。
二次試験は、短文記述試験と実技試験の2段階構成。試験範囲は一次試験と同様ですが、より実務的な知識が問われます。
まず、短文記述試験は「建築積算士ガイドブック」より論文形式の問題が出題。2問の問題を1時間で解きます。出題範囲が細かく設定されていますので、勉強しやすいかもしれません。
続く実技試験は、躯体や鉄骨、仕上などの工事費用と内訳明細を作成するという内容です。問題用紙の図面を見て実施積算で数量を計測・計算し、工事費用を出していきます。
数十億円規模の工事で、1,000円単位まで合わないと正解にならず、実務よりも難しいといわれています。試験時間は4時間30分です。
一次試験の申し込みは、インターネット(Eメール)からできます。
二次試験から申し込む場合もインターネットからできますが、一級建築士の免許の写しなど必要書類を郵送することで申し込みが完了。民間資格ですから、手続きが簡易なことも受験しやすい資格といえるでしょう。
建築積算士は、もともと国家資格(建築積算資格者)で、2001年に日本建築積算協会へ引き継がれました。
ちなみに平成30年度の合格率は、一次試験が約68%(※1)、二次試験が約59%でした。(※2)
※1 参照元:建築積算士認定事業による2018年度建築積算士一次試験実施結果[PDF]
※2 参照元:建築積算士認定事業による2018年度建築積算士二次試験実施結果[PDF]
一般の方にとってはあまりメジャーではない資格ですが、実務経験のない高校生や大学生でも取得できますし、持っていれば就職にも有利にはたらくと考えられます。
建築業界も、コスト意識のさらなる向上が求められる時代です。学生時代にしっかり勉強して取得することをおすすめします。
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